ソランの15歳のお誕生日プレゼントはカートでした。

いつからか長いお散歩に行くことが難しくなり、
近所をゆっくりゆっくり歩くだけの散歩になってきていました。
その短い距離の中でも、途中抱っこをするということが常となりました。
ソランはこの時、8キロちょっとありました。
抱っこをして歩くことが、とてもしんどく、
また、近所を回るだけの散歩は、ソランにとって楽しいものではなくなってしまっていたことから、カートを購入することにしました。

5月18日
近所の公園にて
カートを選ぶときの条件は、
ソランの腰のこと、また、今後歩けなくなった時のことを考え、
「伏せの姿勢でも乗せられるもの」でした。
いろいろ見て、「小型犬が4匹入る多頭用」と宣伝しているものにしました。
4匹入るというカートですが、
ソランが伏せをして、ぴったりのサイズでした。
このカートを使ったのは、たった2ヶ月となってしまいましたが、
ソランはこのカートがお気に入りで、準備している様子をいつもじっと見て待っていました。
本当に買って良かった。。。
もっと早くに買えばよかったと思いました。

最初はちょっと不安そうに私を見ていました。
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「らくちん♪」 |
「どこいくの?」 |
このカートを使うようになってからは、以前歩いていた長い散歩コースにも行くことができるようになりました。
途中、歩きたくなると立ち上がって合図してくれました。
下ろすと歩き出すのですが、家のまわりを歩いていた時と、あきらかに歩調が違っていました。
久しぶりの景色が嬉しいのでしょう。
それは楽しそうにトコトコと歩いていました。
疲れないうちにカートに乗せ、また少し歩かせて。。。という散歩。
今、とても恋しい時間です。
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紫陽花を見に行きました。 |
途中下車して歩きます♪ |
最初カートは、私にとっては、ちょっと抵抗のあるものでした。
私の住んでいる田舎の町では、わんこのカートを押している人を見たことがありませんでした。
初めてカートで散歩に行った日のこと。
初めて乗せるので、飛び下りたりするのではないかと不安で、
カバーをかぶせて出発しました。
道路を横断するのに、車の流れが切れるのを待っていた時、
道路の向こうに、いつも行く郵便局の局長さんが立っているのをみつけました。
「ん???」
というような顔つきでこちらを見ています。
私は慌ててカバーを開き、現れたソランの頭を何度も何度も大袈裟に撫でました。
局長さんの表情は、
「あの人、何時の間に出産していたんだろう?しかも高齢で・・・。」
と、いうものだったからです。(笑)
ソランのカートは大きく、ベビーカーに見えました。。。
すれ違う時、
「立ったらいけないよ〜!」と、ソランに声をかけ、
「犬です!」
と、しっかりアピールしたことも、今は思い出のひとつです。。。
姪っ子、莉子(みのりの妹)とは、2回一緒に散歩へ出かけることができました。
大好きな莉子とお散歩できて、とても喜んでいました。
みのりは、この頃、部活の引退間際で行事も多く、散歩に一緒に行くことはできませんでした。
カートを使っての散歩に行くことができなかったことを、残念がっています。
ソランとの最後のお散歩は、ソランが旅立つ前日の7月16日の夜でした。
あの時、
眠れないでいたように見えたソランを、気晴らしにと、カートに乗せて夜道を歩きました。
心地良い風がふいて、「気持ちいいね。。。」と、何度もソランの顔を撫でました。
でも、ソランは全く動かず、ずっと私の顔を見たままでした。。
でも・・・
今思うと、
あの時見ていたのは、私の顔ではなく、
私の肩越しに見える、空だったのかもしれません。