RoomNumber 504   Jiri


504号室のジリちゃんからメールが届きました。

***木登りをしていたら、すごく可愛いものを見つけました!見にきてね!***

すごく可愛いもの?ハートの形の葉っぱ?ころころ可愛い木の実?

いったい何でしょう? ワクワクしながらジリちゃんのお部屋を訪ねました。





どうしたのでしょう。迎えてくれたジリちゃんに元気がありません。

「木の上で見つけたのは、小鳥さんだったの・・・。私のしっぽの動きに合わせて、綺麗な声で歌を歌ってくれて仲良しになったの。

あんまり可愛かったから家につれてきたんだけど・・・。

ママも喜んでくれると思ったのに、すぐに帰してきなさいって叱られちゃって・・・。」

ジリちゃんは今にも泣き出しそうです。

「帰すなんてイヤ。どうしても離れたくなくて、ママにみつからないように部屋の隅に隠れてもらったの。

でも、ピーって鳴き声でママにみつかっちゃって・・・。」





ジリちゃん、それでまたママに叱られて悲しくなっちゃったのね。

「ううん、違うの。さっき、ママと木の上の巣に小鳥さんをかえしてきたんだけど、

小鳥さんのママがずっと小鳥さんを探していたことを知って・・・・。

小鳥さんもママを見たら、私からすぐに離れてママの方に飛んでいってしまったの。

なんて悪いことをしてしまったんだろうと思うと悲しくて・・・。私、もう木登りはしない。そう決めたの・・・。」

ジリちゃん、きっと小鳥さんもジリちゃんと離れるのは寂しかったと思うの。

でも、ママのそばが一番安心できるんだよね。だってジリちゃんだってそうでしょ?

ジリちゃん、これからも毎日木登りをしようよ!きっと小鳥さんも待ってるよ!

ジリちゃんのしっぽは小鳥さんのメトロノーム。

綺麗な歌を歌うための大切な存在。

大切な大切なトモダチ。。。







Photo By YUKINO
Story By Soran’s